書評ブログ

定年後の起業に役立つ『世界一わかりやすい速読の教科書』

東芝、富士フィルム、東京電力、JR東日本など、日本を代表する大手企業の研修で大反響を呼んでいる『速読の教科書』があります。

 

医学博士の斉藤英治さんが開発した「速読耳トレーニング」による、ビジネスに役立つ速読法で、今日紹介するのはそのエッセンスを記したこちらの本です。

 

斉藤英治『世界一わかりやすい速読の教科書』(三笠書房)

 

この本は、これまでの目を動かすトレーニングによる速読法とは違う、「いくつになっても、誰でも習得できる速読法」です。定年後に起業する人でも無理なく身につけられる速読法で、最小の時間で最大の情報を得る「読書テクニック」です。

 

本書は以下の4つのパートから構成されています。

 

 

1.「デキル人」はみな読書家である
2.「速読耳」がなぜ、脳にいいのか
3.たった1日15分聴くだけで、本を読む速さが10倍になる
4.最小の時間で最大の情報を得る「頭のいい人」の新・読書法

 

 

まず冒頭で著者は、「成功するためには、とにかく本を読むことが大事だ」という成功者の言葉を紹介しています。

 

本は「宝の山」で、成功者たちが自分の成功ノウハウを惜しげもなく本の中で教えてくれます。そのノウハウを知っていれば、失敗するリスクは最小限に抑えられるということです。

 

そういう意味で、読書ほど格安の自己投資なない、ということです。本は、一番身近で頼れる「人生の師」です。また、読書をすれば「考える力」が深まります。

 

読書は、ある意味「著者と対話すること」だからです。読者は受け身ではなく、著者から知識や情報、考え方を「引き出し、自分に取り込む」くらいのイメージで読むべき、ということです。

 

また、読書は頭をよくする「脳によい習慣」です。人間の脳細胞は1000億個あると言われていて、誰でも皆同じです。脳の働きは、「脳細胞同士のネットワーク」に左右されます。

 

この「脳細胞ネットワーク」は、以下の2つでよりいっそう、発達していきます。

 

1.「もっと知りたい!」と何事にも前向きに興味を持つこと
2.繰り返し考えること

 

逆に、使わない脳細胞ネットワークは、どんどんリストラされていきます。したがって著者の斉藤さんは、「ビジネスマンは1日1冊の多読をすべき」と提唱しています。

 

ビジネスマンにとっての読書は、アスリートのトレーニングと同じことで、一流のビジネスマンになればなるほど、多くの本を読み、日々しの技量を磨いています。

 

 

本書では、「速く読めるだけの速読術はもういらない」と述べています。読むスピードが驚異的にアップしても「知識を吸収する」というリターンが得られなければ意味がありません。

 

読書家として有名な評論家の立花隆さんは、「1冊の本は1つの大学であり、1つの小宇宙である」と表現しています。本というのは、そのくらいワクワクする「知の世界」なのです。

 

本当に「役に立つ速読」とは、以下の3つがうまくいって初めて実現すると著者は言います。

 

1.スピード
2.理解
3.記憶

 

短時間に必要な情報を手に入れ(インプット)、知識を増やし、そして新しいアイデアを生み出す(アウトプット)、というサイクルがそろって、「ビジネスや勉強で役に立つ速読」になります。

 

これが「斉藤式速読術」で、あなたの脳が「知の生産工場」になる、ということです。つまり、読書の目的は「本を読むこと」ではなく、「情報を得て、それを知識にすること」です。

 

速読で一番大切なのは、素早く文字を追うことができる「目のチカラ」ではありません。最大のカギになるのは、目から取り込んだ情報や知識を、スピーディーに処理する「脳のチカラ」です。

 

加速された読書スピードに対応できるだけの「文章処理能力」、いわゆる「頭脳回転スピードを上げる」ことが最大のカギになります。「速読量」は「頭脳回転スピード」に比例するのです。

 

 

では、「頭脳回転スピード」を最大限に生かす「効率的な読書術」とはどのようにすればよいのでしょうか。以下の手順で本を読めばよいと斉藤さんは提唱しています。

 

1.本を読む目的を決める
2.本の全体の2割の中に大切な情報の8割が含まれる
3.「締め切り効果」を活用するためデッドラインを1冊30分と決める

 

具体的には次の3つのステップで読んでいきます。

 

 

1.プレビューを5分間行う
2.次の5分間で全ページを「写真読み」
3.残り20分を「スキミング法」で読む

 

 

上記1のプレビューでチェックするのは以下の5つです。

 

1.カバー・帯(タイトル・著者名・サブタイトル・キャッチコピー)
2.カバーそで(著者プロフィール)
3.目次(著者が描いた本の設計図)
4.まえがき・あとがき・解説
5.本文中の「見出し」「イラスト」「図表」

 

3ステップの2番目である「写真読み」は、文字そのものをイメージとしてとらえ、脳に直接届けます。右脳を活用した認識法です。

 

3ステップの3番目にある「スキミング」とは、本来、「すくい取る、ざっと読み取る、かすめ取る」といった意味です。カモメが大空を飛びながら海の中にいる魚を探し、「タッチ」アンド「ゴー」で情報をキャッチしていきます。

 

スキミングのコツは以下の2点です。

 

1.どんな魚(=情報)を得たいのか、本を読む目的を意識する
2.価値のあるところはきちんと読む、価値のないところは飛ばす

 

また、スキミングとよく似た「速読の技術」として、「スキャニング」があります。これは、英語の「scan」から来た言葉で、「検索読書」とも呼ばれます。

 

要するに、キーワードを検索して読んでいくイメージです。スキミング「魚をとるカモメ」「レーダーを搭載したジェット機」ですが、スキャニング右脳を使って写真のように写し取るイメージです。

 

本書の巻末には「速聴トレーニング」のために、テキストが掲載されています。付属のCDを活用した7日間のトレーニングは、実践的な内容です。

 

正しい速読の技術を学べば、起業にも大きな支援となるでしょう。

 

では、今日もハッピーな1日を!