書評ブログ

定年前起業者へ『明日、会社がなくなっても、自分の名前で勝負できますか?』

「明日、会社が亡くなっても、自分の名前(ちから)で勝負できますか?」と問いかけている書があります。大手広告代理店勤務から独立してブランドに関するクリエイティブ・ディレクターになった川上徹也さんが書いた本です。

 

本日は、定年前起業者にぜひ読んでもらいたい、こちらの書です。

 

川上徹也『明日、会社がなくなっても、自分の名前(ちから)で勝負できますか?』(クロスメディア・パブリッシンング)

 

この本は、「2010年からの自分を変える計画書」というサブ(帯)タイトルで、2009年に出版された本です。具体的には以下の3点で自分を変える、ということです。

 

 

1.仕事のやり方を劇的に変える
2.自分をマーケティングし原石を発見する
3.「志」のあるストーリーブランディング

 

 

つまり、「キャリア」「スキル」「人脈」がこれからのあなたに必要な差別化戦略だ、と説いています。

 

 

本書は以下の7部構成より成っています。

 

 

1.自分の人生シナリオは自分で描こう
2.自分を語るために、まず働き方を変えよう
3.常にストーリーを意識して仕事をする
4.仕事以外の日常も差別化しよう
5.自分をマーケティングする
6.あなたをストーリーブランディングする
7.理屈はもういい、あとはスタートを切るだけ

 

 

本書の冒頭で著者は、「自分はどこでもやっていけるという普遍的な仕事力と自信を身につけ、可能な限りキャリア、スキル、人脈を構築しておくことだ」と述べています。

 

これからの時代に求められる人材は、周りの人が共感できるようなメッセージを発信し、その行動を応援したくなるような人間です。それには、「志」「ストーリー」が不可欠です。

 

「志」こそが、ビジネスにおける最大の差別化戦略です。「個人をブランド化する」のに、最大の差別化戦略が「志」「ストーリー」ということです。

 

 

一般にブランディングとは、以下のように定義されます。

 

 

◆ 他と差別化されること
◆ 好きになってもらうこと
◆ 強みを知ってもらうこと
◆ 特別な感情を抱かせること
◆ 憧れの存在になること
◆ オンリーワンの存在になること

 

 

著者の川上さんが唱えるのは、ストーリーを使ってブランディングするという方法で、「ストーリーブランディング」と呼ばれています。

 

何よりも「共感してもらえる」「信用してもらえる」という要素を大切にするのが「ストーリーブランディング」です。

 

ストーリーブランディングは、単にラベルを張り替えて見せ方を変えるというものではありません。自分の中にある「志」を発見して、そこに向かって行動していく姿を持って、多くの人の共感を得るというブランディングの方法です。

 

世の中にある「ブランディング」に関する書籍に共通に見られる欠点・問題点を、本書では以下の3つの方法で解決しようとしています。

 

 

1.著者1人の体験ではなく、有名無名を問わず、できるだけ多くの事例を集める
2.ブランドは万能ではなく、リスクやマイナス面も踏まえて、ブランディングする覚悟を問う
3.具体的なテクニック部分よりも、働き方や日常を変えたりすることで生まれる差別化の方法に重点を置く

 

 

そして、あなたが気づいていない、自分の原石を見つけることです。原石とは、「強み」「提供できること」「好きになってもらえる部分」のことです。

 

具体的に言うと、働き方を変えること、日常を変えることです。今まで深く考えずにやってきたことを自分の頭で考えるようにすることです。

 

お手軽な「ファスト・ブランディング」ではなく、多少時間がかかってもしっかりと本物のを築木上げていく「スローブランディング」を著者は提唱しています。

 

また、ストーリーブランディングを始めるのに年齢は関係ない、ということです。すぐに結果をだそうと思わないで、じっくりとストーリーブランディングに取り組んで欲しい、ということです。

 

では、今日もハッピーな1日を!