書評ブログ

和佐大輔『テトラポッドに札束を』(幻冬舎)

和佐大輔氏は、ネット・ビジネスの可能性を誰よりも示した、インターネット業界の王者と呼ばれる。12歳の時に、海に飛び込んだ際にテトラポッドに頭からぶつかって頸椎損傷という障害を負い、首から下の運動機能を全て失ってしまう。

 

「死んだほうが社会にとって有益な人間」 とまで自分を追い込んでしまうのだが、ネット・ビジネスという無限の可能性を持つチャンスに出会い、文字通り人生を一変させてしまった。

 

本書は、そうした和佐氏の起業経験と、ビジネスを行う上でのポイントを具体的に書いたものだ。世界の人口70億人の中のたった1人という存在になることが大切だと説く。

 

ビジネスには成功する原則があって、それに気づいて実行するかどうかで、成否が決まるのだ。まず前提として、「仕事とその価値は自分で作ることができる」ということを理解することだ。

 

その上で、次の5つの原則を学んだという。

 

1.売っているものは商品だけではない。
2.理想のキャラクターを演じることで信頼を信頼される
3.上から目線ではなく、俺様目線で発言することで存在価値が生まれる
4.仕組みを正しく利用すればレバレッジが利く
5.DRM(Direct Response Marketing) ほど強力なマーケティングはない

 

一つひとつは聞いたことのある話だが、これを立体的に理解して体系的に実行できる人は少ない。

 

著者は、「ブログ解体新書」というネット・ビジネスの教材をインターネット販売してブレイクした。アフィリエイトからスタートして、アフィリエイターを活用して自作教材を販売したことで飛躍したのだ。

 

和佐氏はまた、「ハイパー・デジタリアンになれ」とも主張している。デジタリアンとは、①情報の価値判断ができること、②最低限の情報に対するリテラシーを備えていること、③情報にいつでもアクセスできる環境にあること、の3つの条件に該当する人ということだ。

 

その上で、ハイパー・デジタリアンは特徴として、① 「一は全、全は一」という思想に馴染んでいる、②結果ではなくプロセスが全てだと考えている、③内面的なアイデンティティを持っている、ということだ。

 

起業を目指す全ての人に読んで欲しい勇気が湧く本だ。