書評ブログ

北嶋茂『ハワイ大好きおじさんのアロハ!最後のわがまま一人旅』(メイツ出版)

北嶋茂氏は、東京生まれで、中央大学を卒業し、現在は神奈川県横浜市で普通のサラリーマンをしている。

 

ハワイ好きが昂じて、「家族でハワイ」から、ついには「ひとりでハワイ」を決行し、今ではハワイひとり旅があたりまえになりつつある、という。

 

今回は、自宅をリフォームするタイミングでホテル住まいとなるところを、同じホテルならハワイへ行ってしまおう、ということで、ハワイひとり旅となったらしい。

 

奥さんや子供はどうしているのだろうと気になるが、家族公認のひとりハワイとなっている様子だ。本書は、「ハワイ大好きおじさん」シリーズの第5作目だが、なぜか最終回と銘打っている。

 

これまでのシリーズ4冊については、2013年11月8日付の本コラムで採り上げて紹介しているので参照されたい。

 

事情があって、ハワイ一人旅は今回が最後になるのだろうか。著者は、1年おきにハワイに行っているとのことで、うらやましい限りだ。

 

本書は、2013年2月4日(月)から14日(木)の9泊11日のハワイ一人旅の記録だ。2012年にもハワイに行ったらしいが、残念ながらその時の旅は本になっていない。

 

北嶋氏のハワイ旅は、ザ・バスをフル活用して、ひたすら足で歩いてお気に入りの場所をめざす。とくに毎朝のサンスーシ・ビーチは必須らしい。

 

以前の著書では、そこから近いダイヤモンドヘッドの麓近辺にあるボガーツ・カフェに通い詰めていたのだが、今回は通り過ぎている。そのあたりもどういう事情か不明だ。

 

北嶋氏の本シリーズの影響を大いに受けて、ボガーツ・カフェの朝食に通った私としては寂しい限りだ。私の心のふるさと「ボガーツ」は不滅だ。

 

さて、本書は旅の行程に沿って、以下の構成で書かれている。

 

1.こうしてハワイに行く
2.ハワイ初日の過ごし方
3.スリフト・ショップ巡りの毎日
4.ワヒアワ探検
5.ココヘッド・トレイルの恐怖

 

6.ノンビリした一日
7.フレッシュな味のピウ・ピア・トレイル
8.ダラダラした日も必要だ
9.チャイナ・タウンの店探しは難しい
10.異次元空間見ぃ~つけた!
11.帰国の朝

 

著者の本シリーズは、ハワイの街の風景が浮かんでくるような記述と、ダジャレや冗談を交えた軽快なトークが心地よい。ほんとにハワイでウキウキしている気分が味わえる。

 

北嶋氏のハワイでの、おそらく一番の楽しみは、ホテルのラナイ (屋外ベランダ)で飲むバド缶だろう。朝はラナイでコーヒーとパン夜はテイクアウト(英語では To go )の夕食とバド缶がお決まりだ。

 

ハワイの渇いた爽やかな空気とバド缶のビール味がほんとうにマッチするのだろう。先日、紹介した故・辻村裕治氏も、ハワイのラナイでのバド缶をこよなく愛していた。

 

おそらく、北嶋氏のハワイでの行動は、辻村氏の影響を大きく受けているのではないかと思う。バスや歩きやビーチめぐりなど、そっくりの行動パターンだ。

 

北嶋氏の著書には、ハワイのレストランやプレート・ランチなど、食べ物の話が多い。本書は、それに加えて、スリフト・ショップが多く出てきた。少し興味関心も変わってきたのだろう。

 

ハワイ好きには、病み付きになる魅力溢れる本書を、多くの方々に推薦したい。