書評ブログ

佐谷恭ほか 『つながりの仕事術』 (洋泉社新書)

佐谷恭氏は、京都大学卒業後に英国ブラッドフォード大学大学院(平和学専攻)を修了した。富士通にて国際人事関係の仕事を経て、友人とともにリサイクルワンを立ち上げた。その後、ライブドアを経て、世界初のバクチー料理専門店のバクチーハウス東京をオープン。

 

現在は、東京初のコワーキング・スペースPAX Coworking を主宰して、コワーキングを国内外に広める活動をしてきた。「コワーキング」とは、一言で言えば、パーティーのように楽しくて充実した仕事環境を実現するワークスタイルだ。

 

コワーキングの知名度は日々、飛躍的に高まっていて、2011年末からは日本でも毎週1つ以上のコワーキングスペースが開設されている。ツイッターで「コワーキング」と検索すると読み切れないほどのつぶやきがあり、新聞や雑誌、テレビでも採り上げられるようになった。

 

本書は、コワーキングの仕掛け人である佐谷氏が、以下の構成で、コワーキング誕生の歴史や経緯、その実践例などを紹介した書だ。

 

1.コワーキングとな何か (歴史・メリット・スペース利用方法・スペース運営記)
2.コワーキング実践ガイド (中谷健一氏のケース)
3.コワーキング・ビジネスの事例 (海外のビジネス事例・日本国内のビジネス事例・実験例)
4.世界と日本のコワーキング・スペース
5.コワーキングの未来予想図とこれからの働き方 (座談会)

 

2番目のコワーキング実践ガイドに出てくる中谷健一氏は、本ブログでも著書 『どこでもオフィス仕事術』 (ダイヤモンド社)を採り上げて紹介したノマドワーキングを実践するフリーランスで、仕事の90%以上を自宅やオフィス以外で行う。

 

中谷氏の実践例は、コワーキングスペースを活用したノマド・ワーキングの典型的な型として先進的な働き方であり、同様のワークスタイルを目指すひとにとって大いに参考になるだろう。

 

コワーキングは、まだまだ新しい働き方という認識が一般的で、知らない人々も多い。しかし、クリエイティブなワーカーやノマド・ワーキングの実践者など、イノベーションを目指して新しい働き方を模索する先進的な人達には魅力的なスタイルだ。

 

起業を志す人はもちろん、新たなライフスタイルやワークスタイルを求める全ての人々に本書の一読を強く薦めたい。