書評ブログ

『50歳からの個人起業でもう一花咲かせたいときに読む本』

40歳代には年収200万円台だったのに、50歳で個人起業して年収1億円を達成した人がいます。現在も69歳で年収5000万円という白川博司さんです。

 

本日紹介するのは、50歳からのもうひとつの人生を考える、こちらの本です。

 

白川博司『50歳からの個人起業でもう一花咲かせたいときに読む本』(バンローリング)

 

この本は、50歳で会社を辞めて「通販コンサルタント」として個人で独立起業した著者の体験を中心に、「50歳から人生の上り坂が始まる」という著者の人生論を述べた書です。

 

本書が単なる人生論ではなく、起業を絡めて記されているのは、「お金を稼ぐ」ということが社会との接点を一番持っていられる、という著者の信念があるからです。

 

この本は以下の8部から構成されています。

 

 

1.50歳からの起業に向いているか
2.すべてのことに楽天主義であれ!
3.50歳からの個人起業で後悔しないための情報との付き合い方
4.50歳以降で生きてくる人づきあい論
5.50歳からの個人起業で身につけておきたい考え方
6.「お願いします」と言わせるための方法論
7.生涯現役であるために、今から準備しておくこと
8.これからは50+」(フィフティプラス)の人生

 

 

まず本書の冒頭で白川さんは、50歳からの個人起業に向いている人として、以下の7点を挙げています。

 

1.より強く起業家になりたい人
2.こまめに情報収集できる人
3.楽天的に物事を考えられる人
4.これからの人生を楽しめる人
5.自分のことを愛せる人
6.健康管理できる人
7.方向転換のできる人

 

50歳からの起業に夢は必要なく、現実だけを見ればいい、と白川さんは言います。上記の7つ「50歳からの個人起業」における大切な姿勢や心構えです。

 

次に、白川流「楽天主義」の考え方として、以下のような「立ち止まらない生き方」を提唱しています。

 

1.「個人の力で生きていく」ために「何とかなるさ」と考えて前へ進む
2.「自分の時間を大切にする」という自己管理
3.自分を中心において「得か得でないか」を考える
4.今の自分に満足してはいけない、学ぼうという気持ちが気づきにつながる
5.他人と自分を比べない
6.49%悪いことが起こっても51%良いことが起こればよい(51%理論)
7.自分の悪さを残さない
8.できることだけに専念するチームを作る

 

「楽天的になる」ことの意味は「前に進みやすくする」ことにある、と著者は言います。「個人の力で生きていく」には「前に進む」ことが最も大切だということです。

 

 

続いて本書では、50歳からの個人起業で重要な「情報との付き合い方」として、次の5点を述べています。

 

1.「仕事のテーマ」に関する情報を集める
2.インターネットを利用する
3.図書館を利用する
4.新聞を3回読み、気になる記事を2箇所以上切り取る
5.書籍から多くのことを学ぶ
6.月に1回、セミナー&展示会に参加する
7.フリーペーパー、カタログ、チラシを常に収集する
8.気になる人には会いに行って情報を集める
9.情報収集とは自分のレベルを上げること
10.情報発信を定期的に行う ~ブログ、フェイスブック、メールマガジンなどの自己媒体~

 

 

情報に続いて「人付き合い」について、まず50歳以降の起業でやってはいけないこととして以下の3点を挙げています。

 

1.人の悪口を言わない
2.人には嫉妬しない
3.上から目線にならない

 

いずれも起業家には大切な姿勢です。また、著者は「1ヶ月に新規で100人の人と名刺交換する」ことを目標とし、「味方」と「無縁な人」にグループ分けしている、と言います。

 

白川さんによれば、自分の仕事において長く付き合いたい人は3%、100人に3人だということです。年間36人の新たな仲間を作っていく、このくらいの出会いがあれば仕事は途切れることなく入ってくるということです。

 

 

本書の後半で白川さんは、50歳からの個人起業で身につけておきたい考え方として、以下の4点を紹介しています。

 

1.365日営業日だと思え
2.自分の行動を数値化する
3.成功体験を捨てる
4.お金をシビアに考える

 

とくに、自分の行動を数値化する、というのは参考になりました。例えば次のようなことを著者は実践しています。

 

1.3人以上とは飲まない&2時間以上は飲まない
2.商談は45分で決める
3.3%理論(出会った3%の人が仕事で付き合う人)
4.120%理論(完成度120%を目標にする)

 

 

そして、「お願いします」と言わせるための方法論として、以下の4点を挙げています。

 

1.プッシュ型でなくプル型の営業
2.価値を上げるのがブランディング
3.ブランディング名刺を活用する
4.書籍を出すことが最大のブランディング戦略

 

ここで白川さんが提唱していることに私は100%共感、同意します。起業した私が目指す方向も、この「個人ブランディング」で、目標は「自分の書籍を出版すること」です。それが最大の「ブランディング戦略」だと考えているからです。

 

 

本書の最後に白川さんは、「生涯現役」であるために、今から始めておくべきこととして以下の9点を挙げています。

 

 

1.自己分析
2.他者分析(業界分析)&誰に売るのか
3.強みを維持する
4.人脈を広げておく
5.生活リズムを整えておく
6.自分の睡眠リズムを知っておく
7.起業したときの名前を考えておく
8.「個」という絶対の世界に慣れておく
9.蓄え(起業資金)を作っておく

 

 

巻末に、「最低限、これだけはやってほしいと思うこと」として、著者は次の4点を提唱しています。

 

 

1.情報の仕入れ
2.情報発信(自己媒体を持つ)
3.向学心を常に持つ
4.時間管理(スケジュール管理)

 

 

そして、白川さんは、「継続は力なり」という言葉で本書を締めくくっています。最後に、著者がこの本の中で最も気に入った一文を紹介しています。

 

「あなたの最良の日は、“ 自分の人生は自分のものだ ” と決めた日」

 

では、今日もハッピーな1日を!