中原圭介 『2025年の世界予測』 (ダイヤモンド社)

2014.08.03 (日)

中原圭介氏は、世界経済の中長期予測に定評があり、関連著作も多い。経営および金融のコンサルティング会社 「アセットベストパートナーズ」 の経営アドバイザーおよび経済アナリストとして活躍している。

 

本書は、数多くの予測を的中させてきた気鋭のエコノミストによる10年後の世界を大胆に予測した書だ。エネルギー価格や物価動向が大きく変化する中で、世界や日本経済はどう変わるのかを予測している。

 

本署で述べられている予測のポイントは以下の通りだ。

 

1.米国およびカナダによるオイルシェールガスの採掘と活用により、世界のエネルギー価格は大きく下がっていく
2.エネルギーコストの低下と人口増加による安い人件費により、米国南部に製造業の拠点が集中してくる
3.中国、インド、ブラジル、ロシアなど新興国や東南アジア諸国は高成長のもとで、深刻な環境汚染が問題化する
4.米国では低コストのガス発電が主力になり、水素発電所のインフラ整備が進む
5.自動車では、ハイブリッド車の普及が進み、次世代カーとしては電気自動車ではなく、燃料電池車が本命になる

 
6.燃料電池の燃料は水素で、低コストで生産でき、発電後も水に変わるため究極のエコ発電となる
7.定年年齢は延長され、少子高齢化の速度が速い日本では75歳定年となる可能性が高い
8.日本はエネルギー価格の低下余地が大きく、水素関連の技術で世界をリードするため競争力が向上する
9.とくに燃料電池車の開発では世界に先行しており、今後もリードしていく

 

中原氏は、エネルギー価格が下がればデフレ経済になっていくと予測している。米国でオイルシェールが実用化されるのは確実で、コストも大幅に下がっていくため、米国立地の製造業は競争力が出てくる。

 

石油化学産業もエチレンの生産が石油よりはガスを原料にする形に変わるので、あらゆるものが低コストで生産可能になってくる。すなわち物価は下がり、デフレ推移となってくる。

 

英語は学ぶ必要がなくなるという予測もしているが、これは当たらないと私は考えている。むしろ英語はグローバル・ビジネスの共通語として、ますます重要性が増すだろう。

 

また、読書によって知識を蓄えることが将来の武器になると主張している。これは全く同感だ。米国のトップ大学のエリートは年間500冊の本を読むという。圧倒的なインプット量が、変化が激しく予測困難な現代で、イノベーションを起こしたり、将来をきちんと読むことができる、経営者に必須の能力を磨くのだと私は考える。

 

全ての予測が当たるとは言わないが、相当な分野で予測は大きく外れないと私は思う。グローバル・ビジネスのリーダーにはぜひ薦めたい書だ。

 

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